那珂組コラム

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今月の法話 令和3年11月[ 正應寺 大鶴 智恵 ]

御取越(おとりこし)

11 月に入り、私どものお寺では『御取越(おとりこし)』のお参り が始まりました。

  

『御取越』とは、本山や寺院に先駆けて『報恩講』を各家庭で行う行事のことです。『お引き上げ』や『ほんこさん』と呼ばれる地域もあります。
ご門徒の家々のお仏壇の前で、一緒に「正信念仏偈」をお勤めし、集落のみなさんで集まって御斎(おとき)を行います。
感染症予防のために、昨年より御斎で集まることは中止しており、皆さまと寄り集まることができなくなりました。
御斎は各地区のご門徒さんの親睦の場にもなっていたようで、中止になり寂しく感じている方もいらっしゃいます。
私もご門徒さんとゆっくりお話しできる大切な時間が減ったことに、寂しさ感じています。

しかし、釈尊は『スッタニパータ』の 268 に『世俗のことがらに触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚れなく安穏であること、これがこよなき幸せである。』とお説きになっています。
この言葉は、当たり前だと思っていたいつもの日常を失い、動揺し、迷い苦しむ私の心に、明るい光を与えてくださいました。
この釈尊のみ教えを私に届けてくださった宗祖親鸞聖人への報恩感謝の気持ちを忘れずに、今年も御取越をお勤めさせて頂きます。

合掌

正應寺
大鶴 智恵