那珂組コラム

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今月の法話 令和4年 6月[ 長円寺 高橋 信証 ]

先日、お参りのために御門徒様の家に向かう道中、車の中で流れるラジオに耳を傾けていたところ、どうも日本人と外国人ではマスクの着用に対する認識が少し違うようだと話をしていました。

パーソナリティの方が言うには、マスクの着用に日本人はそこまで抵抗はないことに対して外国人は嫌悪感があるそうです。それはテレビ番組や映画を観る中で、日本のヒーローは、例えば鞍馬天狗や月光仮面もそうですが口元を隠しています。それに対して、外国では逆に悪役が口元を隠していることが多く、そこにも少し認識的な影響があるようです。

マスクを着用したままの生活が続くこの頃、子ども達の間では口元の表現がうまくできない子が増えているそうです。普段、表情豊かに喜怒哀楽を表現するはずの顔の半分、目元だけしか見せないマスクが、子ども達の表情を表す妨げになっているのではないでしょうか。

笑う親父の人生哲学
笑う角には福来る
笑い千両、笑顔万両ってね
笑顔を見て怒る人はなし
笑いは身体も心も若くする
笑顔の人に病なしだよ
笑いで病もとろけ出す
笑顔には力があるんだよ
人生豊かに見えるから
不思議だよ

ある時、こんな掲示板を見かけました。

「笑顔で」という言葉が続くように、辛い時や悲しいときは涙を流し、怒る時は怒るけど、最後は笑顔が出る、そんな喜怒哀楽を表現することはとても大切なことです。
言葉だけでは伝わりにくいことも、顔をしかめたり、口元を「へ」の字にしたりして、喜びも悲しみも、顔や身体を使って豊かに表現してこそ、相手によく理解されて伝わっていくものではないでしょうか。

世界にはマスクを外す国も少し出始めているようですが、早くマスクを必要としない日常生活に戻って、老若男女、皆が表情豊かに、どんな時も最後は笑顔でいられるような世の中になってほしいと願うばかりです。

長円寺住職
高橋信証