5月9日(火)文字通りの五月晴れ、爽やかな青空の下に博多区空港前の善教寺様へ、永代経法要の参拝をさせて頂きました。
山門ごしに福岡空港の国内線ターミナルが見えます。コロナ禍もピークをようやく過ぎて、多くの搭乗客で再び賑わう福岡空港、今日もひっきりなしに旅客機の離発着が続いています。
午後1時半からの御法要を前に大庫裏の二階ではお齊のお摂待が行われておりました。味ご飯、じゃがいも厚揚げ人参の炊き合わせ、ブロッコリー、蒲鉾、昆布の佃煮、沢庵、にゅうめんのお汁をご準備くださってありました。可愛らしいお箸袋も代々の手造りで、おご馳走に華を添えてありました。コロナ禍にあっては暫くのあいだ休止なされていらっしゃったそうですが、この永代経から再開されたそうです。
コロナ以前は2つの地域で分担してお摂待をされていたそうですが、中断を経て用心や諸事情を話し合った結果、今回の再開に際してはひとまず地域共同で初日だけにしておきましょうということで、この日を迎えられたそうです。真心を込めて朝から手作りされましたご馳走を、お摂待をされる側も受けられる側も、にこやかに味わい深くお召し上がりになっていらっしゃいました。
ご案内の1時半を迎え、お近くの専宗寺様や組内の御同行の方々も多数ご参詣になり、満堂の皆様を前に御住職からのご挨拶。コロナ禍への対応のため時短や人数制限、お齊の休止などをして来ましたが本日から5類への移行となっていることもあり、ある程度をようやく元通りに戻してお勤めできることが喜びであるとともに、引き続き用心だけは怠らずにこの3日間をお勤めいたしましょうとお声がけがありました。ご挨拶に続いて行事鐘、月隈の真教寺様も御内陣にご出勤されてお正信偈のお勤めです。
お勤めの後、今年が宗祖親鸞聖人御生誕八五〇年、浄土真宗立教開宗八〇〇年の記念の年にあたり、組長として3回の団体参拝にお出かけになられたこと、またその味わいをお話しになられました。
今回の慶讃法要は、5月21日までインターネットでの生中継など、ご本山西本願寺での参拝のご縁が続いておりますというご紹介をされまして、暫くの休憩にはいります。
暫くの休憩をはさみ、ご法話をお聴聞させて頂きます。
御讃題 「十方微塵世界の 念仏の衆生をみそなはし 摂取してすてざれば 阿弥陀となづけたてまつる」(浄土和讃82)
私自身も、また同輩の中にも、幼い頃にお寺の跡取りという立場から逃げたい気持ちであった者も少なくなく、或る方は野球選手に成ることを目指して励んだものの、知らず識らずの内に浄土真宗の学校に監督として招かれ、いつしか御教えに誘われる不思議を感じさせられることもあったりと、本当にご縁の深さを思います。この様な私と成らせていただくご縁を「永代経」と味わうべきものかなと存じます。お釈迦様は人生には生老病死の四苦に、愛別離・怨憎会・求不得・五陰盛の四苦を加えた八苦があると御教えであります。その苦悩の境涯から脱するのが成仏ということでありますが、凡夫が仏に成るではなく、浄土真宗は凡夫を仏に成す教えであります。浄土真実の教『仏説無量寿経』に「視若自己」と示される阿弥陀様は、遠方にある病身の我が子を心配して片時も伏せるどころか座して休むことさえ出来ないほどに、常に立ち続けて私たちを仏に成すべく願い続け行じ続けて下さってあります。お慈悲のお立ち姿を拝しつつ、人生のご縁を頂戴してまいりましょうとおとりつぎ下さいました。
御文章 「聖人一流章」
【御講師】福岡教区 夜須組 浄覚寺 渡辺 崇之 師
ご法話の後、ご一緒に讃歌『恩徳讃』を唱和して御住職より御礼のご挨拶です。はじめのご挨拶にもありました通り、これまで時短や自主規制などで消化不良な感じの中にお勤めして来ましたが、引き続いての感染症対策は講じながらも、ようやく従来の時間をかけて、ゆっくりとお聴聞させて頂くことが出来る喜びを、しみじみとお話ししていらっしゃいました。
御法話を承け、浄土真宗は何か頑張らなければならない忙しない教えでは無く、本当に自分の身の丈にあう丁度良い教えであることが本当に有り難いことですねと第一日目を結ばれました。努力が出来なくてもそれで丁度良いのが南無阿弥陀仏、日頃から組長として真面目に努力家でいらっしゃる御住職がお話し下さると、本当に有り難く心に響くご縁でありました。
御住職と御講師の2ショット(左側が御講師、右側が御住職)お優しいお人柄が、それぞれの微笑みに溢れでていらっしゃいます。笑顔の中にも日々にご苦労を重ねて来られた円熟味と渋味とが、またお二人の魅力ななっていらっしゃるのではないでしょうか。
山門前の道路の傾斜を利用して、空港ターミナルに近い北側は石段と山門が整備されています。坂道を上った南側は、境内へそのまま車を乗り入れることができるように設計されてあります。道路を挟んで2つの駐車場を備えられ、ご参拝の皆様の利便性を高めていらっしゃいます。境内の至る所に手すり、スロープ、そして庫裏の中にはホームエレベーターを完備されていらっしゃるなど、心も身体もバリアフリーなお参りの環境を整えて、いつも優しくお迎え下さってあります。皆様どうぞ安心してお参りなさって下さいませ。
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2023(令和5)年5月9日(火)参拝 (文責:妙楽寺 原田宗明)