【手を合わせましょう】
今年も6月に入りました。6月というと、日本では梅雨といって雨が長く降り続く季節ですね。 雨が降るとお外で遊べないので早く雨がやんでほしいなあと思うこども達もいると思います。
しかし、雨が降らなければお米や野菜などの作物も育たないばかりか、私たちも水がなければ生活できません。欠かすことが出来ない天然資源です。
天然資源というのは、人間が作り出すことが難しいものです。雨が降ることによって育った、自然の恵みであるお米野菜などを食べ、私たちはいのちを保つことが出来ています。
これらすべて、食べ物はいのちなのです。お肉やお魚もそうです。そのいのちを私たちは毎日いただいて生きています。
ハンバーガーやおにぎりには形がありますが、「いのちとはどんな形?」と聞かれても、答えることは難しいですね。その目には見えにくいいのち、形としても言い表しにくいいのちに手を合わせることが、とても大切なことです。これが、ののさま(ほとけさま)のおこころですね。そのいのちをいただくことに感謝をすること、ありがとうという心の形が合掌という形です。
【 多くのいのちとみなさまのおかげによりこのごちそうをめぐまれました。
深くご恩をよろこびありがたくいただきます。】
いつも給食の前に皆で言ってますね。お家でもお父さんやお母さんと一緒に実践してくださいね。
ところで、この合掌には他にも意味があります。それは仏さまを敬うということ、そして相手を敬うということです。
♪♪おめめをつむり てをあわせ のんのんののさま おがみましょう
みんながよい子になるように のんのんののさま おがみましょう ♪♪
合掌する私たちの手はいろいろなことが出来ます。粘土遊びや制作、お絵かき、お砂遊び、自転車遊び など楽しいですね。しかし、時々お友達とけんかになってしまったりして、良くないことに手を使うこと もありますね。
ののさまはちゃんと見ておられます。うれしい時も悲しい時も私たちの心に呼びかけてこられます。なもあみだぶつとお念仏を称える私たちの心に、みんな仲良く遊ぼうねと。
そして、いつも手を合わせてご挨拶しようね。そうすれば、みんなで仲良く遊べると思います。ののさまはいつも私たちにそう呼びかけておられるように思います。
(真宗保育連盟刊『まこと』2023年6月号掲載)
養行寺 住職 森谷大行