那珂組コラム

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今月の法話 令和7年 7月〔松源寺 天野琴美〕NEW!

いよいよ夏本番、子どもたちはプール、水遊び、夏休み等、楽しい事たくさんの夏。学生の皆さんの中には部活動最後の夏、受験勉強へむかっていく夏の方も。そして、歳を重ねるほど気になる毎日の最高気温、熱中症指数、体調に気をつけて過ごしたいものです。

いくつになっても大きい、小さいそれぞれ違えども夢や目標へむかっていく気持ちを大切にしていきたいものですね。

さて、最近ではだいぶ少なくなって祥月命日(毎年ご命日をご縁にお勤め)のご法事ですが、毎年ご主人、お父さま、お母さま等欠かさずご法事をしてくださる方もいらっしゃいます。ご法事に伺うと、お一人の時もあれば、ご親戚の方がご一緒の時も、夏休みの時期には娘さんお孫さん方が帰ってこられている事もあります。

お正信偈のお勤めを「帰命無量寿如来~」とはじめると、「南無不可思議光~」と皆さんご一緒にお勤めをしてくださいます。小学生のお孫さん方もお経本を持って一緒にお勤めをしてくださいます。毎年変わらずご法事をしてくださるお母さんの姿、そこに必ず一緒に座ってくださる娘さんの姿、ご法事を大切にしてくださる思いをお孫さんたちも受け継いでくださっているのだと思います。後ろ姿で見せていく、伝えていくことの大切さを改めて思うご縁となりました。

先日、そのお宅にお伺いさせていただいた時には、ご親戚の方も一緒にお勤めをしてくださり、終わった後にこのようなお話をしてくださいました。

30年前に福岡に来て、浄土真宗のお寺にお世話になっており、そのお寺さんの法要に100回くらい行って法話(仏さまのお話)を聞いたけど、一つしか覚えていないこと。

『私たちが生きていく上で生老病死、4つの苦しみがあり、その苦しみから私たちを救おうとずっと阿弥陀さまははたらいてくださっていること』その後も阿弥陀さま、仏さまになっていかれた方々のお話をたくさんしてくださいました。

浄土真宗では、お聴聞(仏さまのお話を聞く事)が大切であります。でもその人やその時々で受け止め方、感じ方が違ってきます。ですので、何度も仏さまのお話を聞くことが大切になってくるのです。聞いていくなかで、自分の中に残ったことを大切に、そして自分の姿と照らし合わせ自分自身を振り返るご縁としていただけたらと思います。

私は正しいと思う道を進んでいるつもりです。しかし、周りの方の中には違う見方、考え方の方もいます。

仏さまのお話を聞いていくなかでお念仏をよろこぶ身へとお育てをいただき、自分の事も他の人(もの)の事も大切にできる生き方ができれば素敵だとおもいます。

合掌

松源寺 住職 天野 琴美