那珂組コラム

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今月の法話 令和8年4月[教徳寺 髙原隆則]NEW!

雲霧之下明無闇

昨年、95歳を一期として遷化した前住職の一周忌法要を厳修しました。
参拝頂いたご門徒の皆様に「拝読浄土真宗のみ教え(第三版)」を謹呈いたしました。
2009年に親鸞聖人750回大遠忌法要に向けて編纂されたもので、冒頭に「浄土真宗の救いのよろこび」が記されています。
2019年の改訂により、「浄土真宗の救いのよろこび」が削除されましたが、復活の機運が高まり、この度、第三版が出版され、「救いのよろこび」が復活いたしました。

浄土真宗の救いのよろこび

  阿弥陀如来の本願は 
  かならず救うまかせよと
  南無阿弥陀仏のみ名となり
  たえず私によびかけます

  このよび声を聞きひらき
  如来の救いにまかすとき
  永遠に消えない灯火が
  私の心にともります
 
  如来の大悲に生かされて
  御恩報謝のよろこびに
  南無阿弥陀仏を称えつつ
  真実の道を歩みます
 
  この世の縁の尽きるとき
  如来の浄土に生まれては
  さとりの智慧をいただいて
  あらゆるいのちを救います
 
  宗祖親鸞聖人が
  如来の真実を示された
  浄土真宗のみ教えを
  共によろこび広めます

第一段落の出典は、第十八願並びに善導大師の二河白道の喩です。
二河白道の喩とは、西に向かっている旅人を、盗賊や猛獣が追いかけて来ます。目の前には火と水の河があり、その境に4、5寸の白い道が西に向かって伸びています。
すると、阿弥陀如来が、西の岸からよびかけられます。

※火は、瞋恚(怒り)、水は、貪欲(欲)を表す。

  西の岸の上に人ありて喚ばひていわく
  なんじ一心に正念にしてただちに来たれ
  われよくなんぢを護らん

親鸞聖人は、貪欲・瞋恚を雲霧に喩られ、正信偈に次のように著されました。

  貪愛瞋憎之雲霧 
  常覆真実信心天
  譬如日光覆雲霧 
  雲霧之下明無闇

私たちのむさぼり、怒り憎しみは、雲や霧のように、常にみ仏の真実の心を覆ってしまいます。
たとえば、日光が雲や霧に覆われても、その下は、明るく闇がないように、み仏の心は私たちの闇をつつんでいます。

 

前住職は、生前、「雲霧之下明無闇」と色紙に書して、有縁の方々に配布致しました。
この度の前住職一周忌法要の直前に「浄土真宗の救いのよろこび」が復活したことは感慨深く、ご門徒の皆様と唱和いたしました。
「浄土真宗の救いのよろこび」は、浄土真宗にとって欠くことのできない基本的なご文を組み入れ、七五調のリズムで、口語体で作成されています。
繰り返し拝読し、ご門徒の皆様と味わいを深めて参りたいと存じます。

教徳寺 住職 髙原隆則