優しい雨が天地を潤す中、4月25日(火)午前10時から南区弥永の法善寺様の永代経法要にお参りをさせていただきました。
傘の波がゆらゆらと、多くの門信徒の皆様方が御本堂へお入りになるのにあわせ、私も向拝口より如来様のもとへと進みます。各所に感染対策の消毒や幼児用から大人用までの3種類のマスクのご準備など、感染症対策もしっかりとなされてお迎え下さってあります。
外陣手前の右側には、総代世話人の皆様がお待ちくださってあり、そこで御仏前をお納めさせていただきますと、キャンディーやチョコレートが入った小袋とお茶のペットボトルとともに、ようこそお参りなさいましたとのご挨拶をいただき、各々お席へと座って行かれます。皆様の手には2~5合ずつでしょうか、御仏飯米(祠堂米)をお持ち寄りになってあり、御仏前にお供えされてありました。
午前10時、御住職のご挨拶にはじまり、行事鐘、お正信偈のお勤め、御住職の閑話と続いて小休憩。前住職様もお元気そうに御内陣へ御出勤されてあり、コロナ前から久しくお会いできておりませんでしたが、このようにまたお目にかかることができまして、コロナ禍がようやく収束へと向かう兆しを嬉しく感じさせていただきました。
小休憩を挟んで御法話の時間です。御講師は、私たち那珂組にあります善教寺様の副住職、今泉真也さんです。優しい語り口かつ御祖父様のように的確に御法義をお示し下さり、本当に聞きやすく、また心から味わい深いおとりつぎをなさっていらっしゃいます。
御讃題 「如来の作願をたづぬれば 苦悩の有情をすてずして 回向を首としたまひて 大悲心をば成就せり」(正像末和讃38)
難しい教えを学問としてはもちろんのこと、宗祖親鸞聖人は和讃、おうたは耳伝えに人の心に入るもの、これを私たちに沢山のこして下さいました。御讃題の和讃のこころは、仏願の生起本末、そのご苦労の果てに成就してくださいましたお念仏を、そのまま頂き、そのままお称えさせていただけば、それが生仏相望の往生浄土の道でありますということをお説き下さってあり、大悲心の成就のすがたが南無阿弥陀仏のお念仏。阿弥陀様は緻密にご苦労にご苦労を重ねられて、この全徳施名の南無阿弥陀仏を私たちに回向、お届けくださるのでありますから、祈願請求のようなご都合主義でのお念仏などもってのほか、頂くままにお称えさせて頂きましょうと、穏やかに分かり易く、丁寧に時折ユーモアをもっておとりつぎ下さいました。
御文章 「聖人一流章」
【御講師】福岡教区 那珂組 善教寺 今泉 真也 師
御法話を頂戴しました後は、皆様で讃歌『恩徳讃』を斉唱し、住職のご挨拶で午前の法要を終えられます。住職のご挨拶に「『念仏』の文字の成り立ちを伺えば、今の心に仏さま、ということでありますねと前住職が常々申してありました通り、このように今の私たちが、しっかりとこの御法要を営ませて頂くことが大切であります。ようこそお参り下さいました。」と述べられてあり、また「散る桜、残る桜も散る桜という歌が示すように、連続無窮の仏縁に感謝を申し上げる永代経を今年もお勤めでき本当に有り難く思います。」と皆様への御礼を述べられました。住職を継職され真摯にその法灯を受け継いでいらっしゃるお姿が、本当に有り難く心に響きました。
午前午後の御法要の合間に
その後、お齊のお摂待をいただきました。やはり、コロナ禍の影響から暫く中断されてあったそうですが、昨年末の報恩講から再開され、お寺と地域の伝統を守りつつ、皆さんで楽しい時間を過ごして行きたいと思いをあらたになされてあるそうです。筍ご飯、厚揚げ新じゃが人参こんにゃく蕗の炊き合わせ、春雨と胡瓜の酢の物、プチトマト、沢庵、リンゴ(うさぎ飾り)、ゼリーの水菓、若布と筍のお味噌汁、それにお箸袋に至るまで、全て皆様の手作りです。
ようこそようこそ、お摂待ありがとうございます、いただきます、ごちそうさま、おいしかったです、ありがとう、、、心とともに色々な言葉が交わされて、本当に有り難いひとときを過ごさせて頂きました。
御住職と御講師の2ショット(左が御講師、右が御住職)、お二人とも那珂組の頼もしいホープでいらっしゃいます。それぞれにご門徒さま方のお育てとご期待とに対し、真摯にご精進なされてあります。
境内各所にも、また御本堂や庫裏、会館の至る所に、いつも美しいお花が整えられてありまして、ご参詣の皆様を四季折々に心和ませ、お迎え下さってあるのもまた、法善寺様ならではの大きな特色の一つであられるなと足を運ばせていただくたびたびに感じさせられることでございます。お花とおもてなしの心に満ち満ちた南区弥永の法善寺様、皆様もどうぞ足をお運びくださいませ。
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2023(令和5)年4月25日(火)参拝 (文責:妙楽寺 原田宗明)