那珂組コラム

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今月の法話 令和5年11月[ 教徳寺 髙原隆則 ]

変わるもの、変わらないもの、深化する時を感じて

今年は、私たち教徳寺の第十七世神洞(じんとう)師100回忌、また現在の本堂建立100周年を迎えます。親鸞聖人御誕生850年、立教開宗800年の記念にも合わせ、慶讃法要を勤修いたします。神洞師は、17歳で糸島市から入寺し、そのまま住職に就任しました。その後、福岡県選出の国会議員、津田守彦氏の妹であるトラさんと婚姻して子孫をもうけ、その家系が今日の寺族になります。

今から130年前には、福岡市内の浄土宗少林寺様から部材を譲り受け、釣鐘堂を建立しました。当時の木材は、第二十世にあたります現住職の継職法要の時の記念念珠へと姿を変えましたが、石垣は当時のまま今も健在であります。

大正十二年建立の本堂は、ちょうど100周年をお迎えしました。途中、昭和五十五年に銅板屋根を葺き替えましたが、また近年は雨漏りも散見されるようになりました。これからも末長くご門徒の皆様の信仰の拠り所とならんことを心から念じつつ大切に手当てをしながら守り伝えて行きたいと思います。

教徳寺の歴史を振り返りつつ、過去の法要の写真を拝見しますと、ご門徒の中に多くのお子さんたちの姿があります。近年、西畑は少子化で、法要の時の伝供をお願いするお子さんを探すのにもひと苦労したりします。

しかしながら、山寺ならではの絆はとても深く、総代さんはもちろん、婦人会、若婦人会、壮年会の皆様のご協力には、心より感謝しております。コロナ禍で滞っていました「おとき」も今年から再開いたします。また新たな取り組みとして、若院夫婦は今年12月から小学生を対象に寺子屋を始めます。住職であります私も、刺激を受けまして男の料理教室を再開しようかなと目論んでおります。

時代の変遷とともにお寺も地域も変わって行きますが、変わるもの、変わらないもの、深化して行く時の流れを大切に想いながら、ご門徒の皆様とともに寺門の運営に勤しんでまいりたいと思います。

合  掌

教徳寺 住職 髙原 隆則