那珂組コラム

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今月の法話 令和5年10月[ 正應寺 大鶴智恵 ]

みのりの秋

まだまだ暑い日が続きそうですが、少しずつ秋の気配も感じるようになってきました。お寺の近くにある田んぼも稲刈りが終わり、先日ご門徒さんから、ご仏飯用に新米を頂きました。

毎年ご仏飯に困らぬようにとお持ち頂き、有難いことでございます。ご仏飯とは、仏様にお供えするご飯のことです。仏飯器と呼ばれる専用の器に蓮のつぼみの形に盛り、ご本尊の前と両脇の親鸞聖人(右側)、蓮如上人(左側)の前にもお供えします。朝に仏様に手を合わせる時にお供えするのが一般的です。

もし、朝に時間がなかったり、朝にご飯を炊かない場合は、時間帯を問わずいつでもご飯を炊いた際にお供えしましょう。お供えし、お勤めしたり手を合わせたら、早めに下げて仏様からのお下がりとしておいしいうちにありがたく頂きましょう。

ご仏飯はあらゆるものへの感謝の表れそうです。食事に困らずいられること、命を頂いて生きていること、見守られながら今日まで過ごせていること。この世に生きている上で、当たり前のように授けられているすべての恵みを、仏様のお恵みとして、心から慶び感謝する気持ちでお供えしましょう。

合  掌

正應寺住職 大鶴智恵