この頃は、物価が上がったり、先の見えないニュースが続いたりして、「損をしたくない」「安心して暮らしたい」と思うことが増えているのではないでしょうか。
その気持ちは自然なことですが、強くなりすぎると、人と比べて落ち込んだり、思い通りにならない現実に腹を立てたりして、かえって心が苦しくなることがあります。
浄土真宗の教えは、「どうすればうまくいくか」よりも、「思い通りにならない中で苦しんでいる私の姿」に目を向けさせてくださいます。
私たちは外の状況を整えれば安心できると思いがちですが、実際には、どれだけ整えても不安は尽きないものです。
そんな私をそのまま見捨てずに、「そのままでよい」とはたらいてくださるのが阿弥陀さまのご本願です。
できる自分にならなくてもよい、立派でなくてもよいと聞かせていただくとき、張りつめていた心が少しやわらぎます。
不安の多い時代だからこそ、「南無阿弥陀仏」とお念仏申す中で、すでに支えらているいのちに気づかせていただきましょう。
今日という一日も、そのあたたかいはたらきの中で生かされていることを味わいながら、歩ませていただきたいと思います。
合掌
浄光寺 住職 松藤一誓

