那珂組コラム

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今月の法話 令和5年12月[ 浄光寺 松藤一誓 ]

帰る場所、また会える場所

今年も残りあとわずかとなりました。

皆さまは今年、どちらへ旅行へ行きましたか?よく、人生は「旅」であると例えられます。しかし旅であるとするなら、最後に帰り着くところが明らかになっていなければなりません。
そうでなければ、行くあてのない「流浪の旅」となるでしょう。では人生の旅で、最後に帰り着くところはどこでしょうか?このことがはっきりし、約束されていないと、不安の中で人生の旅を終えることになってしまいます。

浄土真宗の教えは、人生の本当の目的を示し、帰るべきところを教えています。私たちの帰るべきところ、それが阿弥陀如来さまのお浄土です。お浄土は、同じお念仏を申すものが、もう一度会いまみえることのできる世界です。

『仏説阿弥陀経』というお経には、
「倶会一処」倶(とも)に一つの処(ところ)で会う
と説かれています。

私たちを必ずお浄土に生まれさせようという、阿弥陀如来さまのおはからいによって、私たちには帰るべきところがあります。

お念仏のみ教えにより、限りない「いのち」の世界が帰るべきところとして、約束されていること、そして、お浄土でふたたび、先立った人々と会わせていただくことができることを、しみじみと味わせていただきましょう。

合  掌

浄光寺 住職 松藤  一誓